「時計やハンカチは贈り物としてNG」と一度は聞いたことがあっても、 なぜNGなのかまで知っている人は意外と少ないはず。由来をたどると、 語呂合わせや歴史的な言い伝えが背景にあって、単純に面白いです。 まずは早見表で全体像を確認してから、一つずつ由来を見ていきましょう。
| 品物 | NGとされる由来 | 本来の意味 | 特に気をつけたい相手 |
|---|---|---|---|
| 櫛 | 「苦(く)」「死(し)」の語呂合わせ | 道中安全を願う縁起物だった説も | 伝統を重視する相手 |
| ハンカチ | 「手巾(てぎれ)」→縁切りの連想 | - | 上司・先輩、長く付き合いたい相手 |
| 刃物・ハサミ | 「縁を切る」の連想 | 魔除け・災いを断つ縁起物という説も | 恋人・友人 |
| 時計・鞄・ベルト | 「もっと勤勉に」の含意 | - | 上司・先輩・目上の人 |
| 靴下・スリッパ | 「踏みつける」の連想 | - | 目上の人 |
櫛(クシ)がNGな理由 ―「苦」と「死」の音、その裏にある本来の意味
櫛がNGとされるのは、「く・し」という読みが「苦(く)」「死(し)」を連想させるという、 音の響きが理由の縁起話です。ただ、この連想自体は後付けの誤解だという説もあります。 つげ櫛の老舗によると、かつて天皇が皇女を斎宮(神に仕える役目)へ送り出す際、 額に櫛を挿す風習があり、これが「別れの櫛」と呼ばれたことから 「櫛を贈ると縁が切れる」と誤って伝わったとされています。 本来は「髪の乱れのような旅路も、櫛で梳いたように何事もなく通れますように」 という道中安全の願いを込めた贈り物だったようです。
櫛にまつわる「苦」「死」の連想は音の語呂合わせであり、由来をたどると むしろ相手を気遣う縁起物だった、という珍しいパターンです。
ハンカチがNGな理由 ―「手巾(てぎれ)」の連想と、涙を拭う道具という側面
ハンカチは漢字で「手巾」と書き、「てぎれ」とも読めることから 「手切れ」=縁を切る、を連想させるといわれます。加えて、涙を拭う道具として 使われることが多いため、「別れ」や「悲しみ」のイメージも重なっています。 職場の上司・先輩や、これから長く付き合いたい相手への贈り物としては 避けた方が無難とされることが多いアイテムです。
中国にも似た考え方があり、ハンカチを贈ることを「送巾離根(関係を断つ)」と呼んで 避ける文化があるとされています。国によって表現は違っても、 「布で涙を拭う」という行為が「別れ」に結びつきやすいのは共通しているようです。
刃物がNGな理由 ―「縁を切る」、でも本来は魔除けの縁起物
ハサミや包丁など「切れるもの」は、そのまま関係が断たれることを連想させるとして 贈り物には不向きとされます。特に恋人・友人へのプレゼントでは 「縁を切りたいのか」と受け取られかねないため、慎重になった方がいい場面です。
一方で、刀剣は武家社会において最上級の贈答品であり、災いを断ち切る 魔除けの縁起物として扱われてきた歴史もあります。近年は包丁専門店なども 「災いを断ち、未来を切り開く」という前向きな意味で刃物ギフトを勧めることが増えており、 由来をどう解釈するかで印象が大きく変わるアイテムです。
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時計・鞄がNGな理由 ―「もっと勤勉に働け」という含意
腕時計は時を正確に刻む道具であることから「勤勉に」、鞄は「もっと働いて」、 ベルトは「気を抜くな」という意味合いを持つとされ、目上の人や上司への贈り物では 避けた方がよいといわれています。誕生日プレゼントとしても、部下から上司、 後輩から先輩へ贈る場合は同じ理由で気にされることがあります。
贈る側にそんな意図は全くなくても、受け取る側の解釈次第で 印象が変わってしまうのがこのタブーの厄介なところです。目上の人へ贈るなら、 置き時計や、仕事を連想させにくいカジュアルなデザインに変えるという工夫もあります。
靴下・スリッパがNGな理由 ―「踏みつける」「見下す」
靴下やスリッパ、靴などの履物は「足で踏みつける」という動作を連想させ、 目上の人に贈ると「あなたを踏み台にする」という意味に取られかねないとされています。 気軽に選びやすい実用品だからこそ、贈る相手との関係性は一度確認しておきたいところです。 同世代の友人・パートナーへのカジュアルな誕生日プレゼントでは、 気にされないケースも多いようです。
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由来を知っても、気にしすぎなくていい
これらはあくまで語呂合わせや古い言い伝えに基づく慣習であり、法律やマナーの 絶対ルールではありません。刃物や櫛のように、由来をたどれば本来は縁起の良い意味を 持っていたアイテムもあります。相手が伝統的な考え方を重視するタイプなら避けておくのが 無難ですが、由来を知った上で「あえて選ばない」判断ができれば十分です。迷ったら 花・スイーツ・グルメなど、由来トラブルの心配がない定番カテゴリに頼るのが一番安全です。
よくある質問
- Q. 由来を知らずに時計やハンカチを贈ってしまったら失礼?
- A. 気にしない人も多いので、それだけで大きな失礼にはなりません。相手が伝統的な考え方を重視するタイプかどうか、また目上の人かどうかで判断すると安心です。
- Q. 刃物や櫛は結局、縁起がいいの? 悪いの?
- A. どちらの解釈も存在します。「縁を切る」「苦・死」というNG説が広く知られていますが、由来をたどると刃物は魔除け、櫛は道中安全の願いを込めた縁起物だったとする説もあります。
- Q. 同世代の友人やパートナーにも同じタブーが当てはまる?
- A. 目上の人向けのタブー(時計・鞄・靴下など)は、同世代の友人・パートナーへのカジュアルな誕生日プレゼントでは気にされないことが多いです。ハンカチや刃物は関係性を問わず一言添えると安心です。
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NGな贈り物とマナー実践編 →誕生日を祝う習慣の由来と世界の風習 →関係性別の相場とコツ →もらって困ったを避ける選び方 →
参考: ギフトコンシェルジュ(リンベル)「押さえておこう贈り物の『タブー』 ふさわしいプレゼントの選び方」/ nippon.com「感謝の気持ちを台無しにする 『贈答品のタブー』」/ カタログギフトのハーモニック「誕生日のプレゼントで 贈って良いもの、悪いものをご紹介」/ つげ櫛専門店(田口柘植櫛製作所)による 櫛の由来解説。各社・各媒体の公開情報をもとに要約・再構成しています。
